高速14000 回転、40番テーパの標準主軸は、303 Nmの大きなトルクを備えており鋼材および鋳物やアルミ材の加工に適しています。 従来50番テーパ機で行っていた被削材の加工を40番テーパ機に置き換えることが可能になります。

早送り速度 毎分60 mの直動軸は、加速度1Gの優れた俊敏性を有しています。コラムを案内する2本のX軸のガイドを段違い(スラントベッド)にしました。 これによりZ軸方向の剛性を損なわずにコラムを軽量化することができ、高い加速性能を実現しています。ボールねじおよび軸受ブラケットへベッド温度 に同調した冷却液を送り込むことで、長時間の高速移動による発熱を抑えます。

テーブルを回転するB軸には、DDモータ駆動の素早い動作により割出し時間を短縮します。軸受とモータ周辺のジャケット部を冷却することで発熱を取り除き、姿勢変化を抑制します。 そして自動的にパレット慣性を計測し、最適なB軸の加速・減速(イナーシャ適応制御)が行われます。

高速加工では大量の切りくずが発生します。この切りくずを確実に処理するため、加工室内カバーの大部分を垂直面で構成し、 主軸頭や天井から吐出するクーラントによりテーブル直下に配置した幅広のセンタトラフに流し込みます。

両端支持のATC機構、一体型のX軸とZ軸のスライドカバー、2次処理装置(サイクロン式)クーラントろ過システムを標準装備など高速加工の信頼性を大幅に向上しています。

リング式の60本工具マガジンを標準装備しました。イナーシャ適応制御をリングマガジンに採用して、工具総重量を自動的に把握する ことで応答性を高め、工具準備時間は最短3.1秒です。 標準搭載したCCDカメラによる工具破損検出装置（Vision B.T.S.）は、サイクルタイムに影響することなく、工具刃先の状態を素速く確認します。

パレットマガジン仕様、パレット搬送システム モジュールMMC2、多関節ロボットとの接続など、自動化により生産性を高めた多くの実績があります。

Feed Optimizer フィードオプティマイザ
加工中の主軸負荷を監視し、切削送り速度を制御する機能です。エアカットを検知し、自動的に送り速度を増速することで加工時間を短縮します。

Process Tracer プロセストレーサ
加工中の主軸負荷を監視してプロセス異常を知らせ、不良品の流出を防止する機能です。テスト加工での正常負荷と量産加工時の負荷を比較し、異常負荷を検出することで不良品を防ぎます。

eSTABILIZER イースタビライザ（※1）
環境温度の変化に応じて位置決め誤差を抑制する制御機能です。生産現場の環境温度に応じた補正により、加工品質を安定させるだけでなく、省エネルギーや工程短縮にも寄与します。
※1 OPTIMIZER機能は、ワーク自動測定装置（特別付属品）が必要です。

加工スケジュールモニタ
パレットマガジンやパレットチェンジャの管理・操作が可能な機能で、各パレットの状態や加工順を簡単に確認できます。特急作業の割込み対応や、主操作盤とパレットマガジン操作盤の連動操作も可能で、現場作業を効率化します。

Machine Status Insight マシンステータス インサイト（※2）
機械の健康状態を常時監視し、可視化・診断することで予防保全を支援する機能です。早期に変化を検知して効率的な保守点検を行い、突発的なマシンダウンのリスクを低減します。
※2 主軸・クーラント・油圧の監視は特別付属品です。

加工モード切替
10段階の加工モードから最適な設定を選択することで、生産性を向上させる機能です。用途に応じたモードの切り替えにより、効率的で目的に適した加工を実現します。

GIブレーカ
穴加工時に長い切りくずを分断し、工具への巻き付きやワークの擦過痕を抑える機能です。トラブル対応を削減し、連続切削による加工時間の短縮で生産性を向上させます。

Vision B.T.S. 工具差し間違い検知
Vision B.T.S.のカメラで工具の形状とデータを照合し、工具交換時の段取りミスを検出する機能です。リングマガジン機では工具交換時、マトリックスマガジン機では次工具待機時に自動でチェックを行い、瞬時にオペレータへ通知することで事故を未然に防ぎます。